この日のために編集者は生きている。中村安希さん『Beフラット』見本出来!

本日は、見本日です。

見本日というのは、何十年編集者をやっていても、
ハラハラドキドキです。

きちんと製本所(もしくは印刷所)から見本が届くか!
きちんとPP加工されているか!
定価やISBNコードなど間違いはないか!
校正もれはないか!

この瞬間の緊張感と、それとセットになったワクワク感。
その快感を得るために、編集者をやっているようなものです。

で、届きました。
『Beフラット』、中村安希さんの作品です。

思えば、中村さんと初めてお会いしたのは2009年の大晦日

「他の編集者が休んでいる間に、期待の大型新人をゲットしちゃおうっと」

などという下心をもって、待ち合わせ場所の渋谷に。
凛としていて、すがすがしくて、それでいて、強くて。
「大型新人」がそこにいました。

「よし」

中村さんと会えるまで、しつこく(いや、あきらめずに)、
メールで説得を続け、中村さんが執筆を受けてくださってからは、
中村さんと真摯に向かいあいながら脱稿まで寄り添った、
もっとも信頼する編集者の一人Tも、同じことを思っていたことでしょう。

「絶対に書いてもらいたい」

あれから1年4ヵ月。
この間、前の出版社をやめて亜紀書房に移り、zero事業部を立ち上げたり、
さらには、日本列島が揺れに揺れて。

一時は紙の確保ができずに、刊行も危ぶまれましたが、
たくさんの方の支援によって、無事に見本出来の本日を迎えました。
そして何よりも、身を削るようにして一行一行を書いてくださった
中村安希さん。
本当に、ありがとうございます。

見本の日、著者の方をはじめ、多くの方に心から「ありがとう」と言えることが、
編集者の冥利です。幸せ。

その幸せの源がこれ。
ジャン!



あとは一人でも多くの方に読んでいただくこと。
これからがスタートです。
(編集M)